県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『あっ、そうか!』

 

この前、ボールのないところでの位置取りについて書いてみたが、予測は、サッカーのあらゆる場面において、とても重要になる。今後は、攻撃のボールを持っている時、持っていない時にどんな予測をするのか等、大きなテーマになりそうなものがあるので、そのうちに触れていきたいと思う。

まあ、自転車に乗っていてうまくなりゃ苦労しないけれど、ヒントにはなるから、よく読んで考えてみて欲しいな。

本当に大事なことは、自分で考えること。“あっそうか!”“この間のプレーはこういうことだったのか”と頭の回路がつながる時がある。ピカッとね。そうしたら、もうすぐ自分のものになる。あとはチャレンジあるのみ。とにかくやってみよう。成功すれば、そこでひとつレベルアップできる。

 

自分がプレーをしていた頃、自分で“あっそうか!”って気がついたことって今でも心に残っている。必要は発明の母で、私は、いつもどうやったら足の速い奴をドリブルで抜けるかとか、相手より先にボールに触るためにはどうすればよいか等、より具体的な場面について色々と考えていた。ボールの置き方から、仕掛け方、体の使い方、手の使い方、ボールのないときの準備等々。人の真似をしたことも多かったが自分でピカッとひらめいて、チャレンジして自分のものにしていったな。

 

この間、シュート盤に向かってボールを蹴っていて、ふと思い出した。一人でやっていた練習でつまらないことだったのだが、シュート盤に向かってボールを蹴る。盤に当たったボールに早く寄って、トラップする。例えば、右足でカーブをかけて蹴ると盤に当たって右方向に行くんだよ。左もしかり。キックが弱く届かなかったりすると、ショートバウンドで盤にぶつかって、勢いがなくなりボールがこちらに跳ね返ってこなくて、最悪は、止まってしまう。“あっキックが弱い、ショートバウンドだ”と思った瞬間、全力でボールに寄っていく。自分のキックのやり方や状況によって、次にどこにくるか“予測”し、より速くそのボールに寄ってコントロールする。そういえば、野球のバックネットの下の部分にあるコンクリートでもやっていたんだよな。斜めになって角度が変わっている場所が2つあるので、さらに面白い。

くだらないことを真剣になってやっていたのだが、“この感覚だな”と自分でひらめいて考えながらやっていた。どこに来るかわからないボールを“予測”し、相手より早く動き出す感覚だったのかな。

 

自分で考えてやってみたことは、それが何であろうとも身になっていた気がする。