県立鎌倉高校サッカー部
<コラム> 『インターハイ2回戦VS厚木北(0-3)』 試合が終了して涙する選手を見て何を思う・・・。 鎌高では、3年生にとってインターハイは一つのターニングポイントになっていて、引退して受験に専念するもの、選手権まで残ってプレーするものと2つに分かれる。既に引退を決めてゲームに望む選手、進路を悩みまだ決断しきれない選手、選手権まで残ると決めて望む選手。複雑な思いでゲームを迎えたと思う。この試合は、コーナーキックで勝負が決まってしまった。そういえば、私のインターハイも神奈川代表決定戦までいきながら、桐蔭学園にコーナーキック1本で沈んだ・・またやってしまったな。 この試合で心に残ったのは、瀬谷西戦で出場できなかった3年生のある選手がスタメンで出場し、“何としても勝つんだ”というどこか吹っ切れた精神状態で強い気持ちを見せてくれたこと。試合に出られない悔しさ、勝ちたいという意思、最後かもしれないという不安が気持ちを駆り立て、集中力を生む。彼がとても大きく、頼もしく見えたのは私だけではなかっただろう。サッカーの原点は、そこの部分なのだということを、改めて学ばせてもらった。 引退する3年生には、いい思いをさせてあげられなくて申し訳なかったと思う。勝負にはなかなか勝つことができなかったが、サッカー部で経験した楽しいことやつらいことがこれからの人生で必ず役に立つと思う。 残る3年生や1.2年生もいつかは必ず辞めるときがくる。だから、やっていられる時を大切に、1日1日精一杯サッカーに打ち込んで欲しいと切に思う。私はサッカーに打ち込んだ高校時代を思い出すと今でも涙が出てくるほどだ。ほとんどの選手にとって、勝負にこだわって情熱を傾けてサッカーができるのは、人生の中でも実質的には高校時代が最後になる。やるのは選手本人で、自分の気持ちひとつだ。鎌高にはサッカーに打ち込める環境が整っているから、思う存分、やって欲しいと思う。そして、いい思いをともに味わえるよう、私も全力を尽くしていきたい。 2年生は遅くても一年数ヶ月後には、今の3年生の立場になっている。 一年が経つのは本当に早いから・・・。
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