県立鎌倉高校サッカー部


<コラム>

『高校日本一の野洲サッカー分析@』

 

今年の1月の選手権は、旋風を巻き起こした野洲高校がそのまま全国を制覇してしまった。

いたるところで、「野洲のサッカーは・・・」という話が出たと思う。高校サッカーをやっていく上でまず考えなくてはいけないテーマだろう。自分にとって、とてもおもしろいテーマだ。

野洲の監督が掲げる“セクシーフットボール”とは、美しく、こだわりがあって、かつ大胆で、といったような抽象的な表現となってしまうがサッカーそのものを見るとなんとなく納得はする。また、“やっても面白く、見ていても面白いサッカー”なんて言葉もでてきていたが確かにそうだがいまいちピンとこない。(十数年前にどこかの高校でも、そんな言葉を使っていた気がするが)

ただ、見ている人にとって“面白いなあ”と思わせるサッカーをしたことは間違いない。私も、たまたま初戦をテレビで見たときに、“ノス高校”っておもしろいサッカーをやるよと仲間に話をしたものだ。そのときは、優勝するとは思っていなかったが・・・。

 

何が面白いのか?彼らのサッカーの仕組みはどうなっているのか?を考えてみる。

まず全般的な分析をすると、システムとしては3-5-2で、サイドアタッカーがポイントのチームである。DFラインの3人+2人のボランチでボールを回す。その間に、サイドのアタッカーが高い位置を取り、そこにロング、ミドルのパスが出る。もしくは、FWの一人にロングボールが出る。このロングボールがかなり効いている。野洲はつなぐからと前からプレッシャーをかけようとすると、ピューンとロングボールがDFの薄いところに飛んでいく。だんだん相手は、前からプレッシャーをかけられなくなり、プレッシャーが弱まることで、さらに野洲のボール回しが生きてくる。そして、ドリブルで仕掛けていくのは、サイドの2人とFW1人の3人だけ。その3人に速くサポートして、ショートパスとドリブルを織り交ぜながら仕掛けていく。まずその3人の球さばきが秀逸。周りの選手も彼らを生かす。たまに繰り出すヒールパスの意外性も見ているものを魅了していく。まあ、こんなことは見ていれば誰でもわかると思う。