メッセージ  (説教より)
「使徒言行録」



今、彼は祈っている」            使徒言行録 9:1−19

 

 初代教会きっての伝道者パウロは、初めはクリスチャンを迫害する人でした。自ら神の子と僭称するイエスは十字架につけられて当然と考え、そのイエスを信じる者を迫害することは神様への熱心と考えていました。
 迫害の息を弾ませてダマスコへ行く途中、甦られたイエス様に出会い、地に倒され、手を引かれて、「直線通り」のユダの家に連れてこられました。目が見えず、口も利けず、食べることも飲むことも出来ずに三日間を過ごし、祈り続けたのです。
 パウロを訪ねるように告げられたアナニヤは驚きおびえました。ダマスコの信者の誰もがパウロのことは知っていたからです。神様は言われます。「今、彼は祈っている」と。祈る彼は以前の彼ではありません。自分を義とし、他人を見下す姿はありません。祈っているパウロは新しいパウロなのです。
 アナ二ヤはパウロを訪ね、一緒に祈り、パウロは新しい使命が与えられました。
 祈りを知り、祈れる者は幸いです。どんな困難と誘惑にあっても、内側から正され、励まされ、整えられて生きてゆけるからです。
 私たちは伝道を考え、信仰の継承を願います。それは、わたしが隠れたところで、隠れた神様の前で祈ることに尽きます。人は見ているのです。信仰者の隠れたところで整えらえていく姿を。