メッセージ  (説教より)
「詩編」


   


「陰府(よみ)に身を横たえようとも」       詩編 139篇1−18節

 「主よ、あなたはわたしを究め
わたしを知っておられる。
  座るのも立つのも知り
遠くからわたしの計らいを悟っておられる。
歩くのも伏すのも見分け
わたしの道にことごとく通じておられる。
わたしの舌がまだひと言も語らぬさきに
主よ、あなたはすべてを知っておられる。
前からも後ろからもわたしを囲み
御手をわたしの上に置いていてくださる。
その驚くべき知識はわたしを超え
あまりにも高くて到達できない。

どこに行けば
    あなたの霊から離れることができよう。
どこに逃れれば、御顔を避けることができよう。
天に登ろうとも、あなたはそこにいまし
陰府(よみ)に身を横たえようとも
    見よ、あなたはそこにいます。」
「あなたは、わたしの内臓を造り
母の胎内にわたしを組み立ててくださった。
  ……
あなたの御計らいは
わたしにとっていかに貴いことか。」

 ここには難しいことは何も記されていません。神様の全知、遍在、全能が力強く歌われています。ある人は詩編139篇を「詩編の王冠」と呼んでいます。
 イスラエルの民はバビロンに敗れ、神殿は廃墟と化し、敵国で奴隷の生活を強いられ、その信仰は根底から覆されました。しかし、そこで自分達が考えていたよりはるかに大きく、強い神様の力と配慮を知らされたのでした。自分がどこにいてもそこにいてくださり、自分のことを知り尽くされる。これは恐ろしいことでもありますが、本当は大きな喜びなのです。しかも自分を貴く扱ってくださっている神様、大きな艱難の中でその信仰に目が開かれたのです。