メッセージ  (説教より)
「サムエル記 上」



「従うことはいけにえに勝る」       サムエル記上 15章1-35節
 
サムエルは、サウルをイスラエルの最初の王として油を注ぎ、かつてイスラエルを苦しめたアマレク人を討ち取り、すべてを滅ぼし尽くすことを伝えました。
 しかしサウルはアマレクの王と牛や羊で価値のあるものは残し、残りを悉く滅ぼしたのでした。それを知ったサムエルはサウルを叱責しますが、サウルは「神への供え物としようとして残した」と言い逃れ、自分の非を認めようとはしません。
「主が喜ばれるのは
焼き尽くす献げ物やいけにえであろうか。
むしろ、主の御声に聞き従うことではないか。
見よ、聞き従うことはいけにえにまさり
耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。」(サムエル記上 15:22)
 サムエルが「あなたが主の言葉を退けたから、主はあなたを王位から退けられた」とサウルに伝えると、彼はその本性を現し、神が自分を捨てたのは致し方ないが、民の前では王として立てるようにと、剣にかけてサムエルを脅しました。

 このことはダビデのしたことと比べるとはっきりします。ダビデは忠実な部下ウリヤからその妻バト・シェバを奪い取り、敵の手でウリヤを殺害させます。このことを預言者ナタンから指摘されると、王座から滑り降りて神様に許しを乞います。そして神の赦しに生きたのです。
 サウルにとって信仰はアクセサリーのようなもので、神様を畏れて自分を神に従わせるのでなく、神を利用して自分に神様を従わせようとしたのでした。