メッセージ  (説教より)
「ルツ記」



「望みに生きる」         ルツ記 1章1−22節、4章11−22節

 ルツ記はモアブの女ルツのしたことで書物の名になっていますが、内容はルツの姑ナオミの物語です。
 ナオミは夫エリメレク、マフロンとキルヨンの二人の子と一緒に飢饉に苦しむユダヤのベツレヘムからモアブに移り住みました。ところがその移住は裏目に出ました。夫を亡くし、二人の子とも死別したのです。ナオミは故郷の飢饉が収まったことを知り、ベツレヘムに帰ることにしますが、嫁のオルパは里に帰り、「あなたの神はわたしの神。あなたの亡くなる所でわたしも…葬られたいのです。」と言うもう一人の嫁ルツを連れての帰還でした。
 「あなたはナオミさんではありませんか。」と迎えた故郷の人々にナオミは言いました。「どうか、ナオミ(快い)などと呼ばないで、マラ(苦い)と呼んでください。全能者がわたしをひどい目に遭わせたのです。」と無念さを口にします。

 2章以下はそのナオミがナオミとされる話です。2章はボアズの畑でのルツの落穂拾い。3章はボアズとルツの婚約。4章はルツを含むエリメレクの家の贖い(零落した身分をもとに返すこと)と二人の結婚、オベドの誕生(その三代後にダビデが誕生する)の物語です。
 ナオミがナオミと成る為に11年1ヶ月一日一晩がかかったのです。「あなたの神はわたしの神」といって家族の一人がお従いする時、時がくれば必ず実を結ぶのです。さらに三代後ダビデが生まれ、千年後イエス様が生まれたのです。