「今日、パラダイスにいる」　　　　　　　ルカ　２３：３２－４３

二人の犯罪人がイエス様の左右に十字架に付けられました。

　その一人がイエス様をののしって言いました。「おまえはメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」死が迫り、痛みと恥の中で開き直り、悪態をつきます。彼の絶望がにじみ出ています。

　それを聞いたもう一人は言いました。「おまえは神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」「イエスよ。あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」

　イエス様は言われました。「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」

　犯罪を犯したのも、十字架に付けられて命が風前の灯であるのも一緒です。しかし一方は自棄を起こし、一方は罪を告白してイエス様の平安の中に身を委ねたのです。

　自棄を起こした犯罪人はどうなるのでしょうか。十字架に付けられた時イエス様はこう祈られました。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」　

　この祈りは十字架に付けた下手人やイエス様を嘲弄した民衆のためだけではないはずです。十字架の上の犯罪人も自分のしたことがわかっていないのです。彼もこの祈りに包まれているのです。イエス様を信じないで亡くなった私たちの家族や知友も。