メッセージ  (説教より)
「士師記」



「あなたの力をもって」             士師記 6:1-32 

 砂漠の民ミディアン人は、イスラエルの収穫の時になると襲って来て、根こそぎに収穫を奪っていくのでした。民は神様に叫びました。
 神の使いがギデオンに言いました。 「勇者よ、主があなたと共におられます。」
 ギデオンは「神がわたしたちと共においでになるのでしたら、なぜこのようなことが起こるのですか。」と日頃の思いを口にしますが、神の使いは「あなたの力をもって行き、イスラエルをミディアン人から救い出せ。」と言われます。ギデオンは度肝を抜かれたと思います。自分の家系と自分自身が如何に貧弱な者であるかを言い立てますが、神の使いはそれを認めません。ついに神の使いにそのしるしを見せてもらい、先ずしたことは、家にあるバアルの祭壇を壊し、アシュラ像を薪にしたことでした。
問題を前にして愚痴を言っても、逃げていても問題は解決しません。問題を前にしての最大の妙薬は、腹をくくって自分から担うことです。自分の力で担う以外にないのです。
ギデオンは自分の弱さを知っていました。それで慎重だったのです。それが力です。「あなたの力をもって」とは、弱さを知ること、そして慎重、それが力なのです。
問題を前にして逃げてはいけないことはだれでも知っています。しかし、知っていてもできるわけではありません。圧倒的な問題の前で、弱さが力だなどと呑気なことは言えません。しかし、神を神とすること、神様が愛をもってこの世界を支配してくださっていることを知らされているので、そこから押し出されるのです。