メッセージ  (説教より)
「ヨハネによる福音書」





「勇気を出しなさい」         ヨハネ 16:25−33 

イエス様から、その日(ペンテコステ)が来ての神様との考えられないほど深い祈りの交わりを聞いた弟子たちは、信仰を告白します。しかしイエス様は言われます。「今ようやく、信じるようになったのか。だが、あなたがたが散らされて自分の家に帰ってしまい、わたしをひとりきりにする時が来る。」(16:31)

その通りのことが弟子たちに起こりました。ゲッセマネの園で弟子たちはちりぢりに逃げ去り、ペトロは女中の言葉にイエス様を裏切り、失意のうちにガリラヤの家に帰ったのでした。

 信仰にはどうしてもこの挫折が必要です。自分の誠実さと決別する時です。自分の愛と真実の背後に、破れと醜さのあることをイヤというほど知らされる時です。そこで初めて、そんな私を受け入れてくださっているイエス様を仰ぎます。

 その時この言葉が響いてきます。「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(16:33)

 生きている限り苦しみがついてきます。苦しみが無くなることが信仰ではなく、それに勝たせるのが信仰です。その際、私の誠実さに裏打ちされた信仰ではなく、世に勝たれたイエス様が先導してくださり、その後についてゆく信仰です。神様との深い祈りの交わりの中で。