メッセージ  (説教より)
「ヨハネによる福音書」





「クォ・ヴァディス(主よ、いずこに)」 ヨハネ 14:1−14

雰囲気は日増しに暗くなり、不安の中にいる弟子たちに主イエスは言われます。「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。」(ヨハネ 14:1

 一言一言念を押すように、イエス様の死が、離別ではなく父なる神様のもとに住居を備えにゆくもので、神様のもとにあなたがたもいることができるためのものと言われます。

 それを聞いてもトマスは「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか」と問い直します。トマスにとってはイエス様の十字架の道が分からないのではありません。主よいずこにと問う十字架への道、それが本当に救いなのですかという根本的な問いなのです。圧倒する悪の力の前で、目を覆いたくなる悲しみの前で、本当にそれが救いなのですかという問いなのです。

「わたしは道であり、真理であり、命である」(ヨハネ14:6)とイエス様は言われます。人に仕え、足を洗い、力ではなく愛と赦しの支配。わたしの教え、わたしの生き方、わたし自身が道、わたしを通らなければ生きられない、と主は言われるのです。