メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」






「神に仕える者」     コリントの信徒への手紙U 6:1−13
 
 神様の愛と赦しを知ったパウロは、その喜びを語った後、コリントの信徒に、「神からいただいた恵みを無駄にしてはいけません。」(…それが伝えられた)「今や、恵みの時、今こそ、救いの日」と警告を語ります。
 「わたしたちはこの奉仕の務めが非難されないように、どんな事にも人に罪の機会を与えず、あらゆる場合に神に仕える者としてその実(じつ)を示しています。」
 人はだれでも、自分が非難されることには堪えられません。しかしパウロにとっては自分自身より、伝道者としての務めが非難されることが堪えられなかったのです。その務めは人の救いに関わることですし、その務めに自分のような者が召されたことのありがたさからです。
 このあと記されていることは、11章23節以下にも記されていることで、パウロの体験からにじみ出た言葉です。その一つひとつがどのような出来事だったかは想像する以外はありませんが、それは考えられないほどの厳しい伝道者の姿です。しかしパウロは、これらを悲壮感を漂わせて語っているのではなく、むしろキリストのための苦しみを楽しんでいるかのように記します。自分を救って下さったキリストのために苦しめることが喜びだったのです。
 唯一つ、神の恵みに生き、何とか神の恵みを伝える。これは伝道者と共に信仰者の深いところの姿勢なのです。