メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」






「勝利の行進に連なる」     コリントの信徒への手紙U 2:12−17

 コリント教会の混乱に気付いたパウロは涙ながらに手紙を書き、それをテトスに託してコリント教会に送ったのでした。その結果がどうなったのか、かえって反発を招いたのではないか、教会の中にパウロ派・反パウロ派の対立を作ってしまったのではないか、トロアスで報告を待っていたパウロは気が気ではありませんでした。
 テトスを待ちきれずにマケドニアに渡り、テトスと再会し、吉報を耳にしました。コリント教会の人たちがパウロの思いを知って、自分たちの非を認め、パウロへの思いを篤くしているというのです。

 「神に感謝します。神は、わたしたちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、わたしたちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます。」
 この感謝を、パウロは神様の導きとは言わずに、神様の勝利と言います。
 ローマでは将軍が凱旋するとき、まず香が炊かれ、着飾った将軍が進み、その後に兵士が続き、戦利品、戦利品の一部である奴隷が引かれていきます。
 事態が一転したのは神様の凱旋であり、自分はその勝利に手を貸した兵士ではなく、引き廻される奴隷だというのです。不安は、自分が力んで解決するものではなく、また出来るはずもなく、自分がキリストの軍門に下り、キリストの奴隷であることに気付くとき、解消され、勝利の行進に与かれるのです。