メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」






「悩みと愁いの中から」      コリント信徒への手紙U 2章1−4節

 「そこでわたしは、そちらに行くことで再びあなたがたを悲しませるようなことはすまい、と決心しました。…わたしは、悩みと愁いに満ちた心で、涙ながらに手紙を書きました。あなたがたを悲しませるためではなく、わたしがあなたがたに対してあふれるほど抱いている愛を知ってもらうためでした。」

 パウロに反感をもつ巡回教師の扇動によって、コリントの一部の人たちはパウロに不満を持ち反抗的な態度をとり始めました。それに気付いたパウロは、教会を訪問して断固たる処置をとることを考えましたが、止めました。強制執行は一時は問題を解決させるように見えますが、教会や家庭の場合、不信感を内向させることもあるのです。事実、叱られ、注意されるだけで問題行動が直ることはめったにありません。
 パウロは涙ながらに手紙を書きました。パウロは涙もろい人だったのかもしれません(使徒言行録20:19、30)。その人の将来を考えると、滅びると分かっているので、じっと見ていられないのです(フィリピ3:18)。
 結局神様に委ねて、コリントの人たちを愛しぬいて、祈りつつ待つのです。悔い改めには時間がかかります。喜びや愛がその人の内に湧きあがるためには時間がかかります。小手先のことで勝負するのでなく、悩みと愁いの中で、自分でもどうしてよいか分からない時に、神様に祈りながら待てる者はなんと幸いなことでしょう。