メッセージ  (説教より)
「コリントの信徒への手紙二」






「あなたがたの喜びのために」 コリントの信徒への手紙U 1章23−24節
 
 「神を証人に立てて、命にかけて誓いますが、わたしがまだコリントに行かずにいるのは、あなたがたへの思いやりからです。」
 パウロはコリント教会への訪問を計画しますが、様々な事情を考慮してそれを中止しました。その一切は隠れた神様の前で祈って決めたことでした。冒頭の言葉は大変大げさな表現ですが、パウロがそこに立って出処進退を決めたように、コリントの人たちもそこに立って欲しいと願ってこう書いたのです。
 「思いやり」とは換言すれば「赦すこと」です。人を赦すことは難しいことです。指摘されるまでもなくパウロには、かつて自分がクリスチャンを迫害した者であったことは忘れられないことでした。赦せることは、自分が赦されているか、赦されなければならないことを知る人だけが出来ることなのです。

 「わたしたちには、あなたがたの信仰を支配するつもりはなく、むしろ、あなたがたの喜びのために協力する者です。」
 人には信仰を与えることも、まして支配することなどは出来ません。信仰は救われることですから、いつも喜びと関わっています。伝道者は神の愛の支配を説くことで人々の喜びに仕える者なのです。

 「あなたがたは信仰に基づいてしっかり立っているからです。」
 あなたがたは心の内に信仰の光が灯り、信仰に生きてきたので、そこにしっかり立ち、一緒に人の喜びのために協力する者であって欲しいというのです。