メッセージ  (説教より)
「十戒」


 「敬神愛人」(前文)        出エジプト 20:1−17 

『わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である』(20:2)

 イスラエルはエジプトを脱出して、そのまま地中海に沿って北上したのではなく、紅海に沿って南下してシナイ山に行きました。十戒を与えられるためです。

 エジプトでは人間の尊厳も誇りも奪われた奴隷の生活でした。主人の命ずるままに動き、自分はなかったのです。そんな民が約束の地に帰ってどう生活したらよいのでしょう。

十戒は、人が人としてどう生きたら良いかを教えるもので、十本の指を繰りながら唱えられる、簡潔ない戒めです。十戒は、前半が神様を神様とすること後半は隣人を愛することからなっていますが、二種類の戒めではありません。神様を愛することを、隣人を愛することで確認し(そうでないと神秘主義)、隣人を愛することを、神様を愛することはっきりさせるのです(そうでないと全体主義になり、人は手段となってしまいます)。

 現代は不幸な時代です。宗教が信用されていないのです。人は利益を求め、宗教も甘い言葉をかける。宗教は煩悩の応援団に成り下っています。これはいけない、これをせよと言わずに、人の欲をくすぐるようなことしか言いません。

十戒をしっかり掲げないで、それでいいのでしょうか。