メッセージ  (説教より)
「テモテへの手紙1」






 神の教会を世話する        第一テモテ書3章1-13節

 「神の教会の世話をする」(5節)とあります。「世話をする」とは、「管理する」とも訳せます。神の教会を正しく維持管理することが、教会の指導的な立場に立つ監督、執事、私たちの教会で言えば牧師、教会役員の務めです。
 教会を正しく維持管理する上で最も大切なことは、教会の信仰を正しく守ることです。教会の中に、誤った、似て非なる信仰が入り込み、教会が人間的な肉の支配(力)によって「汚される」ことがないように防ぎ守ることなのです。この世にあって教会が、主の体なる教会として純粋に主キリストが生きて働く教会であり続けることができるように、守ることなのです。
 今日の教会の中に知らない間に入り込み、教会の正しい信仰を歪める思想(考え方)が、大きく二つあります。一つは、ヒューマニズム(生命主義)であり、もう一つはリベラリズム(自由平等主義)です。
 これらの思想(考え方)は、それ自体としては最高に良いものです。しかし、そのような考え方が教会(信仰)の中に入り込んで来る時、正しい福音理解を歪めるのです。人の命は尊いものです。しかし、それを創造主なる神を信じる信仰から離れて、それ自体で尊いと主張する時、それは正しい福音理解から逸れることになるのです。人が皆平等であることは事実です。しかし、教会の中には平準化されてはならない、それを失えば、キリストの救いが見失われてしまう、守らなければならない大切な秩序があるのです。召命、献身、洗礼、聖餐、主日礼拝などがそれに当たります。教会の指導者はこれらの問題についてよく気づき、教会の信仰を正しく守る責任があるのです