メッセージ  (説教より)
「ペトロの手紙一」


「神の民として生きる ―暗闇から光の中へ―」 ペトロの手紙一 2章1-20節

「神の民」とは、旧約聖書では、神の律法(モーセの十戒)を与えられたイスラエル民族のことでした。しかしその民が、自分たちに与えられた律法の誇りの故に、神から遣わされたまことの御子イエス•キリストを素直に受け入れることができず、「これはメシアではない」として十字架につけてしまうことによって、自分たちが本当の神の民ではないことを自ら暴露してしま ったのです。
 まことの「神の民」とは、その十字架の死を真実に愛と赦しのうちに受け入れることによって、神の全能の命の中に復活された主イエスを、神から遣わされたまことの救い主として信じる教会の民のことです。この民こそあらゆる人間的な違いを越えて、まことの神の愛の中に導かれる神の民なのです。
 この民は、主イエスを信じることによって、「主が共にいてくださる」復活の主の聖霊により臨在の恵みの中で、「言葉では言い尽くせないすばらしい喜び」に満たされ、「信仰の実りとして魂の救い」を経験しつつ(1章8~9節)、 神への感謝と祈りの中に生きるのです。
 しかし主イエスは、信じない人々には「家を建てる者の捨てた石」「つまずきの石、妨げの岩」(7~8節)なのです。主イエスを信じることは決して自明のことではないのです。主イエスを信じることは、人の思いを越えた神の選び(9節)によるのです。そうであれば、「暗闇の中から驚くべき光の中へと」招かれ(9節)、神の民として生きることが、どんなに尊いことであるかがわかるのです。この恵みを、一人でも多くの人に証ししたいと思うのです。