メッセージ  (説教より)
「ペトロの手紙一」





「真理を受け入れる魂として」      ペトロの手紙T  1章22−25節

 「あなたがたは、真理を受け入れて、魂を清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、清い心で深く愛し合いなさい。」(22節)とあります。「真理」とは、生きて働き給う主イエス・キリストのことです。主キリストを心の中に「受け入れる」時、私たちの魂(心の内奥)は「清め」られ、「偽りのない」愛に生きる者とされるのです。
 すべての子どもたちの魂が、この世の罪の汚れに染まってしまうのでなく、主キリストの清さに与って、本当の愛に生きるものとなることを願うのです。
 ザアカイは、誰からも嫌われた人間でした。ザアカイ自身、突っ張った気持ちで金儲けに奔走しました。しかし、エリコの町にイエスが来られると聞いて、ザアカイの心に「イエスがどんな人か見てみたい」(ルカ福音書19章3節)という気持ちが起こったのです。このことの中に、ザアカイにそのような思いを与えてくださった神の導きを見ることができます。
 いちじく桑の木に登ったザアカイに、「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」と主イエスが語りかけます。この言葉がザアカイの心を捕えたのです。人を分け隔てしない真実の愛に触れて、ザアカイの心は砕かれ、「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」(8節)と宣言したのです。主イエスの愛を「受け入れる」ことができた時、人は生まれ変わり、「清められた」心に生き始めるのです。