メッセージ  (説教より)
「マタイによる福音書」


「復活の主は、ガリラヤへ」
              マタイによる福音書28章 1-10節

 復活の主イエスは、弟子たちにガリラヤへ行くように、天使と婦人たちを
通してお告げになりました(7節、10節)。ガリラヤは、弟子たちが始めて主
イエスに出会い、心から主イエスを信じ、すべてを捨てて主の弟子として生
き始めた地です。弟子たちは主イエスを信じて、最後まで主イエスに従いま
した。しかし、主イエスが十字架につけられるために捕らえられた時、この
主イエスを否定することによって、自分たちがまったく主の弟子にふさわし
くない人間であることを露にしてしまったのです。弟子たちは、主イエスの
十字架に躓くことによって、改めて自分たちが罪人の一人に過ぎない者であ
ることを思い知らされたのです。
 復活の主は、そういう弟子たちをお見捨てになりませんでした。主イエス
の十字架に躓いた弟子たちをお叱りになりませんでした。それどころか「今
こそあなたがたは本当にわたしの弟子として生きることができる、自らの罪
と弱さを知ったあなたがたこそ、本当にわたしの弟子として生きることがで
きる」と言って、復活の主は弟子たちを励まされたのです。
 弟子たちはたくさんのことを主イエスから学びました。そのすべての本当
の意味を、主イエスの復活を通して理解すことができるようになったのです。
主イエスの十字架は、弟子たちにとってはただ恐ろしく、できればないほう
がよいと願った出来事でした。しかし、主イエスの十字架こそすべての人間
の罪を、いや、弟子たち自身の罪を担うメシアの業であることを、主イエス
の復活の恵みの光の中で理解することができるようになったのです。そうで
あるなら弟子たちは、ガリラヤで復活の主イエスにお会いすることによって、
今こそ本当に主の弟子として生きることができる者とされたのです。