メッセージ  (説教より)
「マタイによる福音書」


「死の陰の地に、光が射し込んだ」マタイによる福音書 4章12-17節


 「暗闇に住む民は大きな光を見、死の陰の地に住む者に光が射し込んだ」
16節)と記されています。新しい年、私たちの魂に、常に新しく主キリス
トのご臨在の恵みの光が射し込み、心が明るくされ、あらゆる人間的な思い
煩いや囚われから解放されつつ歩むことができますように。
 「暗闇」「死の陰の地」とは「異邦人のガリラヤ」(15節)のことです。ガ
リラヤには多くの異邦人が住み、一般のユダヤ人からは神から見捨てられた
地と蔑まれていました。主イエスはそういう地をご自身の福音宣教の中心地
として選ばれたのです。そして、主イエスのお言葉はガリラヤの人々の心の
中に、希望の光として射し込まれたのです。
 ユダヤ社会は律法社会でした。神の律法を守ることが神の祝福に生きる唯
一つの道と考えられていました。そういう社会の中で、神の律法に真実に生
きることができないと考える人は、自分たちはもはや神から見捨てられてい
るという深い絶望感に支配されていました。そういう人々に対して、人間は
神の御前にみな罪人であるが、その罪人を神は憐れみ、神の救いへと導き、
神の救いの中で初めて人は真に律法を行うことができる、とお語りになる主
イエスのお言葉は、暗い心の闇に射し込む一条の希望の光となったのです。
 主イエスのお言葉が私たちの心の中に、常に新しく啓示の光として射し込
まれることが大切なのです。それが主イエスの救いに生きることなのです。
新しい年がそういう主の恵みの光を浴びつつ生きる日々でありますように。