メッセージ  (説教より)
「マタイによる福音書」


「目を覚ましていなさい」 マタイによる福音書243644


 待降節(アドベント)に入りました。アドベントとは「到来」(来る)という意味の言葉です。主イエスの第1の到来が主イエスの御誕生であり、第2の到来が、主イエスの救いの完成を意味する「再臨」です。アドベントは、この二つの「到来」を覚え、キリストの第2の到来(再臨)を待ち望みつつ、キリストの第1の到来(誕生)であるクリスマスの備えをする時なのです。
 二つのキリストの「到来」を覚える時、大切なことは、主キリストが今、すでに、隠れて「到来」しつつあり、救いの御業を行っていてくださり、そのキリストがやがて、だれの目にも明らかな仕方で到来して、救いの御業を完成してくださる、ということです。そのキリストの救いの働きに対して、心を閉ざし、眠っていないで、「目を覚ましていなさい」と勧められているのです。
「この地は神の前に堕落し、不法に満ちていた」(創世記611節)とあります。人々は神を恐れず、自分の知恵と力、欲望に従って生きていたのです。その点で、旧約聖書のノアの時代から今日に至るまで、人間は「神の前に堕落し、不法に満ちている」のです。このような世を憐れみ、裁き、まったく新しく人を生かすために、神は御子キリストを与えてくださいました。この主キリストの救いのお働きに対して「目を覚ましている」べきなのです。
 ノアは、人々の嘲りに屈することなく、神のお言葉に信頼して、箱舟を作りました。ノアは神が生きて働きたもうお方であることを知っていたからです。このノアの勇気と決断に学びたいものです。