メッセージ  (説教より)
「マタイによる福音書」


「天国でいちばんえらい人」           マタイ福音書18章1−5節


 主イエスは「自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ」(4節)と言われました。深く心にとめるべきお言葉です。
小さな子供たちほど天国で大切にされるのです。それなら、天国はこの子らで満ちているのです。天国は、子供たちにとって最も楽しい所に違いありません。
ダビデは、イスラエルで最も神さまに祝福された王様でした。そのダビデが王として選ばれたのは、ダビデがまだ小さな子供の時でした(サムエル記上16章12節)。なぜ神は、少年ダビデを将来のイスラエルの王として選ばれたのでしょうか。それは、ダビデが王としての資質をもっていたからではなく、王になっても「自分を低くして」、謙遜に神の御前に立つ心を失わない人であることを、神が見抜かれたからではないでしょうか。
使徒パウロも、神に選ばれた人でした。パウロは自分のことを「母の胎内にあるときから選び分け」られた(ガラテヤ書1章15節)と言っています。自分が信仰者として何か優れた資質を持っているからではなく、主イエスの十字架の真実を正しく受け入れる謙遜な心を持つことができる、たとえ見失っても、必ずその心に立ち帰ることができる人間であることを、神が見抜いてくださったからだ、とパウロは言うのです(第一テモテ1章12節)。
「自分を低くして」子供のように、柔らかく謙遜な心で主イエスを受け入れる人が、最も神に喜ばれるのです。そういう人が豊かに主の霊に生かされるものとなるのです。