メッセージ  (説教より)
「マタイによる福音書」


「世の終わりまで共にいる」       マタイによる福音書28章16-20節


 「わたしの兄弟たちにガリラヤへ行くように言いなさい。そこでわたしに会うことになる。」(10節)という、婦人たちに語られた復活の主イエスの伝言に励まされて、失意の中にあった弟子たちはガリラヤに行き、主イエスが指示してくださった山に登り、そこで復活の主イエスにお目にかかったのです。
 もし復活の主イエスご自身が、このように弟子たちに配慮し、お会いくださることがなかったら、弟子たちは永久に失意の中にとどまらざるを得なかったのではないでしょうか。改めて信仰がただひとえに天の神、主キリストの導きによるものであることを思わされます。
 17節に「そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。」と記されています。復活の主イエスにお目にかかり、ひれ伏しながら、心の中で「疑う者もいた」とはどういうことでしょうか。
 それは、主イエスの復活が本当の復活だったからではないでしょうか。主イエスは本当に生きた体となって復活されたのです。罪と死のない、永遠の神の命に満ちた、しかし本当の人間の体として復活されたのです。その事実を前にして、そのあまりの不思議さに疑わざるを得なかったのです。
 その疑いを克服させてくださるのも、復活の主の「復活の力」(フィリピ書3章10節)なのです。主イエスが「近寄って来て・・・『わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。』」(18〜20節)と、弟子たちの魂の深みに御言葉を語ってくださることによって、弟子たちは今こそ本当に主の弟子として、心から復活の主イエスを信じて生きる者とされたのです。