メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」



「わたしについて来なさい」     マルコ福音書1章16−20節


 主イエスは、4人の漁師たちに「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(17節)と語りかけられました。
「人間をとる」とはどういうことでしょうか。どうしたら人間を「捕まえる」ことができるのでしょうか。それは、主イエスの御言葉が人の魂を捕える時です。主イエスの御言葉の真理が人の心を深く捕え、このお方が言われることは本当である、このお方に従って行こう、このお方に従って生きていくことが、天の神の御心である、と心に確信を与えられることによってです。
その確信が真に与えられた時、人は今までの生活を捨てて、全く新しく、主イエスに従って生きる信仰の生活に入ることができるのです。
 18節に「二人はすぐに網を捨てて従った」とあります。20節にも「この二人も父ゼベダイを雇い人たちと一緒に舟に残して、イエスの後について行った」とあります。主イエスの御言葉が4人の漁師たちの心を「捕えた」のです。まさに4人の漁師たちが主イエスによって「生け捕りにされた」のです。主イエスこそ、まことに「人間をとる漁師」であったのです。
 当時のイスラエルは、信仰を前提とした社会でした。誰もが、神を信じて生きることが当然のこととして求められていたのです。問題は、どのように生きることが「神を信じる」ことになるか、ということでした。「律法に従う」ことが神に従うことである、と多くの人が信じていたのです。そういう中にあって、そうではなく、主イエスを信じて、主イエスに従うことが、天の神に従うことである、と4人の漁師たちは心から信じたのです。