メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」






「大いなる力と栄光を帯びて」     マルコ福音書13章24−27節

「太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。」(24〜25節)とあります。最も確かで不動と思われた自然の秩序も、「終わりの日」には滅びゆくものとして取り除かれ、それに代わって全く新しい命の支配が、再臨の主キリストによって始められる、ということです。
 同じような現象が、一瞬のことでしたが、主イエスの十字架の出来事の中で起こりました。「既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。太陽は光を失っていた。」(ルカ23章44〜45節)主イエスの十字架の死が、すべての人間の裁きの出来事である、ということです。すべての人間が、主イエスの十字架の死において裁かれている、ということです。すべての人間には、今や、主イエスの復活によって明らかにされる全く新しい命に生きる以外に、生きる道がないことを意味しているのです。そのことが、「全地が暗くなる」という現象を通して象徴的に語られているのです。
 「そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」(27節)とあります。「地の果て」で、人知れず、慎ましく、この世に埋もれたような生活の中にあって、しかし、主キリストを信じ、主キリストの命に生きるべく誠実な信仰の労苦に生きていく人々を、主は確かに覚えていてくださり、終わりの日に再臨の主が「大いなる力と栄光を帯びて」来られる時に、それらの人々を呼び集めて、再臨の主の栄光の中に引き上げてくださる、と言われるのです。そのようにして再臨の主は、私たちの信仰の労苦に報いてくださるのです。