メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」






「生きている者の神」          マルコ福音書12章18-27節

「復活」とは、死んだ人間がただ生き返ることではありません。「罪と死のない」(神の永遠の命が支配する、清い)体によみがえるのです。そういう体として、本当に生き返るのです。主イエスはそういう体によみがえられたのであり、「終わりの日」には私たちもその主の体に与ってよみがえるのです。
 「死者の中から復活するときには、めとることも嫁ぐこともなく、天使のようになるのだ」(25節)と言われています。復活の時には、結婚関係も克服されるのです。結婚関係が消えることはないでしょう。結婚した者として、しかし、その関係を超えて、共に天上における主キリストとのまったき交わり(教会の交わりの完成)の中に入れられるのです。
 「わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である」(26節)とあります。信仰の父祖アブラハム、イサク、ヤコブは、それぞれの人生の歩みの中で真剣に神ヤ−ウェに頼り、その命と力に生かされた人々なのです。そのような者として、今も生ける神との永遠の交わりの中に生きているのです。いずれにしても神は、死んで初めてお目にかかる神ではなく、私たちが地上に「生きている」間に、お目にかかり、その交わりの中に生かされるべきお方なのです。死んでから初めて目にかかるのでは、遅いのです。地上に生きている間に、生けるまことの神にお目にかかり、自らの貧しい罪の現実を言い表し、神の愛と赦しの中に、言い換えれば、御子キリストの十字架による赦しと復活による永遠の清き命の中に、聖霊によって与りつつ、生きるべきなのです。その意味で、神は「生きている者の神」(27節)なのです。