メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」






「あなたは、メシアです」    マルコによる福音書 8章27−30節

 主イエスは、弟子たちと共に「フィリポ・カイサリア地方」(27節)にお出かけになり、その途中で「あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」(29節)とお尋ねになりました。「フィリポ・カイサリア」は全く異教的な神の民イスラエルの北限の地域です。深く異教的な状況を踏まえながら、その上で主イエスは弟子たちにご自身に対する信仰の告白を求めたのです。
 「あなたは、メシアです。」(29節)と、ペトロは弟子たちを代表して答えました。この告白に対して、主イエスは、マタイ福音書16章17節で「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。」と言っておられます。ペトロは正しい信仰の告白をしたのです。神の、聖霊の導きの中で。
 どこで、どのような主イエスの姿を見て、弟子たちは主イエスを「メシア」と信じるように導かれたのでしょうか。数々の力ある主イエスの奇跡の業を見てでしょうか。そうではなく、むしろ、普段の日々の主イエスのご生活を見て、ではないでしょうか。何でもない日々の生活の中で、父なる神と共に歩まれる主イエスの姿を見てではないでしょうか。何でもない日常の生活の中で、主イエスは「霊の結ぶ実」(ガラテヤ書5章22節)に満たされ、「愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制」の中に生きられたのです。その主イエスのお姿を見て、弟子たちは、このお方こそ、神から遣わされた、神と共にあるお方、「メシア」である、と心から信じたのです。
 そういう信仰こそ、私たちに求められている、と思うのです。