メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」






「全世界に宣べ伝えよ」        マルコによる福音書16章9−20節

 16章8節に「婦人たちは墓を出て逃げ去った。震え上がり、正気を失っていた。そして、だれにも何も言わなかった。恐ろしかったからである。」と記されています。主イエスの復活について、マルコ福音書が強調していることは、主イエスの復活は信じがたい出来事であった、ということでした。
 主イエスの復活を信じることができないということは、昔も今も変わりのないことなのです。主イエスの復活は、人間理性の「永遠の」躓きなのです。それにもかかわらず信じることができるのは、どうしてでしょうか。それは、復活の主が、まさに死人をよみがえらせる、不可能を可能にする、神の全能を表す「復活の力」(フィリピ3章10節)を用いて、私たち人間の心(理性)の目を「開いて」くださるからなのです。それによって私たちは、主イエスの復活を心から信じ、主イエスの復活の命の力に与って魂が「救われて」生きることができることを、心からの喜びと感謝のうちに味わい知るものとなるのです。
 そうであればまた、私たちは、主イエスの復活の命に与って生きることができるために、常に復活の主の「復活の力」を祈り求めていかなければならないのです。主イエスの「復活の力」を信じて、祈り求める時、私たちは、復活の主の救いの恵みに与って生かされる喜びを味わうことができるのです。主イエスの復活の力に与って、心から主イエスの復活を信じることができる時、私たちは、恐れることなく、確信をもって「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝える」(15節)ことができるのです。