メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」






「永遠の命に生きる主イエス」     マルコによる福音書16章1−8節

 主イエスは、人間の最後の敵である罪と死に勝利して、神の永遠の命である「復活の命」を明らかにしてくださいました。
 主イエスの十字架の死は、人間の罪と戦う死でした。どんなに罪を受けても「悪をもって悪に報いない」、愛と赦しと執り成しの祈りの中に死ぬ。そういうことが求められた死でした。そして主イエスは、自分を十字架につける人々に対して、「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」(ルカ23章34節)と祈ることによって、罪に勝利されたのです。
 主イエスは、十字架の死において、最後に神ご自身から「試練」をお受けになりました。「昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。」(15章33節)とあります。神の裁きが行われたのです。すべての人間の代表として、神は主イエスをお見捨てになったのです。
 神に「見捨てられる」とは、人間の罪と死の現実の中に、何の助けもなく、従って聖霊の助けもなく、虚無と絶望の中に「放置される」ということです。主イエスは、そういう「空しさ」の極みの中で死を迎えられたのです。
 その時、主イエスは「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか。」(15章34節)と叫ばれたのです。この叫びは「絶望」の叫びのように聞こえます。しかし、まったき空しさの中で「わが神、わが神」と父なる神の名を呼ぶことによって、神への信仰を言い表し、それによって父なる神の試練に耐えられたのです。それ故に主イエスは、神の祝福の中に、罪と死に勝利する復活の永遠の命の中に生きるお方となられたのです。