メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」






「神の国の秘密」 マルコによる福音書4章10−20節

 主イエスは「あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、外の人々には、すべてがたとえで示される。」(11節)と言っておられます。「たとえ」とは、謎という意味があります。
神の国の秘密、言い換えれば、主イエスにおける神の救いの本当の意味と力を味わい知ることができるためには、主イエスのもとに来て、主イエスの弟子となり、主イエスご自身から教えられる必要がある、ということです。
 さらに言えば、主キリストの十字架と復活と、聖霊によるキリストの臨在の恵みを知らなければならない、ということです。その恵みに生かされて初めて、主キリストの救い、すなわち、神の国の秘密を本当に味わい知ることができるのです。
 主イエスが「たとえ」を用いて語られるのは、それによってすべての人を招いておられるのです。すべての人が主イエスのもとに来て、主イエスご自身によって教えられて、主イエスの救いの恵みに与ることができるようにと。
 それ故に、主イエスが、「彼らが見るには見るが、認めず、聞くには聞くが、理解できず、こうして、立ち帰って赦されることがない」ようになるためである(12節)と、イザヤ書6章9節の言葉を用いて語られる時、そこには主イエスの切なる祈りが込められているのです。一人ひとり、すべての人間が、主イエスのたとえを通して、主イエスの十字架と復活の出来事こそ「私の」罪の赦しと救いのための出来事であることを知り、悔い砕かれた心をもってその恵みに与るものとなるようにと、主は祈っておられるのです。