メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」






「神の御心を行う人」 マルコによる福音書3章31−35節

 31節に「イエスの母と兄弟たちが来て外に立ち、人をやってイエスを呼ばせた。」とあります。主イエスの家族たちは、主イエスを信じる者たち(教会)の交わりの中に入ることが出来なかったのです。
 主イエスもまた「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」(33節)と問い、「神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ」(35節)と答えられました。「神の御心を行う人」こそ、主イエスにとって最も大切な、本当の家族(神の家族)でした。
 神の「御心」とは、主イエス・キリストご自身のことです。主キリストご自身の中に、天の神の御心の全てが込められているのです。ですから、自分の思いと力に生きるのでなく、主キリストに服し、主キリストの御心、清き命に生かされる人こそ、「神の御心を行う人」なのです。
 ところで、主イエスは、ご自分の(肉による)家族を決してないがしろ蔑にされませんでした。主イエスは、十字架の死に際して、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」(ヨハネ19章26節)と言って、母マリアをご自分の弟子ヨハネに託す配慮を示されました。そのような配慮の中で、母マリアも主イエスの兄弟たちも、主イエスの十字架と復活の出来事の後に、心から主イエスを信じるものとなり、「神の家族」の中に入ることが出来たのです。
 私たちにとっても、家族は、信仰の証しと実践をする大切な場です。「神の御心を行う人」として、主キリストの愛を家族の中で証しすることが求められているのです。そこに、家族の本当の幸せが約束されているのです。