メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「主の名によって来られる方に祝福あれ」
             マルコによる福音書11章 1−11


 主イエスは、ろばの子に乗ってエルサレムに入城されました。旧約聖書ゼ
カリヤ書9章9節「見よ、あなたの王が来る。彼は神に従い〜、高ぶること
なく、ろばに乗って来る。雌ろばの子であるろばに乗って」。この御言葉に従
って、主イエスはろばの子に乗ってエルサレムに入城されたのです。
 主イエスがろばの子を調達される様が不思議です。「向こうの村」に「まだ
だれも乗ったことのない子ろば」がつながれており、「主がお入り用なのです」
と言えば、誰も文句を言わずに貸してくれる、というのです(1〜6節)。
 すべてを神さまが用意してくださったのではないでしょうか。主イエスは
今や、すべての人間の罪の赦しのために、メシアの最大の業である十字架の
死を目前に控え、それを全うしようとしておられるのです。その主イエスの
歩みを天の神が、全力で、支えてくださったのではないでしょうか。光あれ、
と言えば、光があった(創世記1章3節)と言われるように、主イエスが願
われることがその通りに実現されたのです。それによって主イエスは、神の
守りと導き、祝福を確信しつつ、十字架の死を全うするためにエルサレムに
入城されたのです。
 人々は主イエスが柔和な王、平和を実現するメシアとしてエルサレムに入
城されたと信じて、歓呼して迎えました。しかし主イエスは、十字架の死を
全うするためにエルサレムに入城されたのです。人々の歓呼の中にありなが
ら、主イエスは孤独だったのではないでしょうか。人々に理解されない深い
孤独の中、しかし、喜んで神の御心に従い、すべての人の救いを願いつつ、
十字架の死を全うするために、主イエスはエルサレムに入城されたのです。
その主イエスの御心を知った時、私たちも「ホサナ、主の名によって来られ
る方に祝福あれ」と、心から主イエスのエルサレム入城をほめたたえるもの
とされるのではないでしょうか。