「あなたの信仰があなたを救った」
　　　　　　　　　　　マルコによる福音書10章46−52節

　盲人バルティマイが心から主イエスに助けを求めた時、主イエスは「行き
なさい。あなたの信仰があなたを救った」と言って、バルティマイの目を癒
し、バルティマイに新しい救いの生活を与えてくださいました。
　この時のバルティマイの「信仰」を４つにまとめることができると思いま
す。第１は、主イエスを「ダビデの子」（47〜48節）と呼んだこと。主イエス
が単なる偉大な信仰の指導者ではなく、旧約以来、ダビデの子孫から生まれ
ると約束された、神から遣わされた「メシア」であると言い表したこと。バ
ルティマイはしっかりと旧約聖書の信仰を踏まえていたのです。第2に、主
イエスを「憐れみ深い方」（47〜48節）と言い表したこと。バルティマイは道
端で物乞いをする人（46節）でした。社会的にはまったく無力で、取るに足
りない、なきに等しい人間でした。しかし、そんな自分をも憐れんでくださ
ることを疑わず、バルティマイは主イエスに叫び続けました。主イエスが真
に憐れみ深いお方であることを信じていたのです。第3に、バルティマイは
人々から叱りつけられ、沈黙を強いられ（48節）、それによって、ますます惨
めな立場に置かれても、それに屈しなかったことです。どんなに惨めな状況
に置かれても、絶望せず、主イエスに叫び続けたのです。ここに、忍耐強い、
惨めさに耐える信仰が表されています。第4に、彼は、自分の肉体の癒しだ
けを求めたのではなく、心（魂）が癒されることを求め、主イエスの弟子と
して生きることを願ったのです（52節）。真実に主イエスの救いを求める信仰
があったのです。主イエスはそういうバルティマイの信仰を認めてくださり、
「あなたの信仰があなたを救った」と言って、彼を癒し、彼を新しい救いの
生活へと導いてくださったのです。
　私たちも「あなたの信仰があなたを救った」と言っていただくことができ
るように、主イエスを求める信仰に励みたいと思います。