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ペトロと共12弟子の中で最も中心的な弟子たちであるヤコブとヨハネが、
他の弟子たちを出し抜くように、主イエスのもとに来て、主イエスが「栄光
をお受けになるとき、わたしどもの一人をあなたの右に、もう一人を左に座
らせてください」（37節）と願い出ました。
主イエスの3度目の受難予告（32〜34節）によって深く動揺した弟子たち
が、自分たちの将来に不安を抱き、主イエスによって確かな将来の保証を得
たいと願う気持ちから、このような行動を取ったのでしょう。「ほかの十人の
者はこれを聞いて、ヤコブとヨハネのことで腹を立て始めた」（41節）とあり
ます。弟子たちの動揺ぶりがうかがえます。
そういう弟子たちを見て、主イエスは「異邦人の間では、支配者とみなさ
れている人々が民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。しかし、〜
あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上にな
りたい者は、すべての人の僕になりなさい」（42〜44節）と言われたのです。
この世でどんなに偉くなっても、主イエスの救いに与って生きることがで
きなければ、むなしい、という考え方が前提にあるのです。
いずれにせよ、私たちが人に仕える者、「すべての人の僕」になることがで
きるためには、一つ大切なことがあります。それは、私たちが主イエスの飲
む「杯」を飲み、主イエスの受ける「洗礼」（バプテスマ）を受けることなの
です（38節）。言い換えれば、主イエスの十字架と復活の恵みを自分に与えら
れた神の救いの恵みとして深く受け入れ、主イエスの復活の命に与って肉の
思いが清められることなのです。その時、私たちは、主の霊の助けの中で、「偉
くなりたい」という人間的な思いを捨てて、人に仕えることに喜びを見出す
ことができるのです。それによって、いよいよ深く主との霊の交わりの中へ
とに導かれるからです。自分が出会うすべての人に主キリストの尊い「救い」
を証ししたいと願うことによって、私たちは「すべての人の僕に」なって生
きる者とされるのです。
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