メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


 「子供のように神の国を受け入れる」
             マルコによる福音書10章13−16節 

 人々が祝福していただくために子供たちを主イエスのもとに連れてきまし
た。その人々を弟子たちが叱りつけました。その弟子たちに対して主イエス
は激しい憤りを表されました(14節)。弟子たちの心の中に子供たちを軽んじ
る気持ちがあることを感じ取られたのです。それ故に主イエスは、「子供たち
をわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような
者たちのものである」(14節)、「はっきり言っておく。子供のように神の国を
受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない」(15節)と厳命
されたのです。
 「神の国」とは、神の救いの支配のことです。主イエスの中にそのような
働きがあるのです。その主イエスの救いの働きに与かることが神の国に入る
ことです。しかし、そのためには、「子供のように」なることが不可欠なので
す。そうでなければ「決して」神の国に入ることはできない、と主は言われ
るのです。
 どうしたら私たちは神の御前に「子供のように」、砕かれた、謙遜な心を持
つことができるのでしょうか。自らの罪を知ることによってです。自分には
神の御前に深い罪がある。主イエスが十字架にかかってくださらなければな
らなかったほどの罪がある。主イエスの十字架によって赦されなければなら
ないほどの罪がある。常に主イエスを拒み、自分の力によって生きようとす
る不従順の罪がある。そのことを自覚するのです。そして、砕かれ心をもっ
て神の御前にぬかずき、主イエスの十字架と復活の恵みに頼るのです。その
時、私たちは神の御前に「子供のように」なることができるのです。その時、
主イエスは、深い愛と憐れみの恵みをもって、力強い救いの御手によって、
私たちを「神の国」の中に導き入れてくださるのです。それ以外に、私たちが
神の国に入る道はないのです。