「はっきり見えるようになった」

　　　　　　　　　　　　　　マルコによる福音書 8章22−26節

　「イエスは盲人の手を取って、村の外に連れ出し、その目に唾をつけ、両
手をその人の上に置いて、『何か見えるか』とお尋ねになった」(23節)と記
されています。主イエスご自身が盲人の手を取って導かれたのです。一人ひ
とりを大切にされる主イエスのお姿が示されています。｢村の外に｣連れ出さ
れたのは、盲人と一対一の関係になるためでしょう。一対一の関係になり、
真剣に盲人と向き合う中で、主イエスは癒しを行われるのです。目に「唾を
つけ」その上に「両手」を置かれました。主イエスの暖かな体温が伝わった
のではないでしょうか。暖かな体温が伝わると共に、主イエスの聖い命が、
真実の愛が盲人に伝わったのではないでしょうか。その中で、盲人の癒しが
行われたのです。
　肉体の病の癒しと共に、魂の癒しが行われたのです。主イエスの命が伝え
られ、主イエスの愛が証しされる中で、盲人の心の目が開かれ、信仰の目が
明らかにされたのです。今まで見えなった神さまの深い憐れみの恵みが見え
るようになったのです。初めは人が「木のように」ぼんやりとしか見えなか
ったのですが、再び主イエスの御手が加えられることによって、今や「何で
もはっきり見えるようになった」（25節）のです。
主イエスの救いの御手が、繰り返し私たちの上に置かれることによって、
私たちの心の目がいよいよ開かれ、すべてのことがはっきり見えるようにな
るのです。主イエスの十字架と復活の恵みの豊かさが分かるようになるので
す。何よりも主イエスの聖霊による御臨在の恵み（インマヌエル）の確かさ
が分かってくるのです。その時私たちは、いよいよ深い喜びと感謝をもって、
主イエスを信じる信仰の生活に励む者とされるのです。