メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「心の悪が人を汚す」    マルコによる福音書71423

「人から出て来るものこそ、人を汚す。中から、つまり人間の心から、悪い思いが出て来るからである。みだらな行い、盗み、殺意、姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、これらの悪はみな中から出てきて、人を汚すのである」(2023節)と主イエスは言われます。容赦のない、厳しい主イエスのお言葉です。
 エルサレムから来たファリサイ派の人々や律法学者たちが、手を洗わないで食事をしている主イエスの弟子たちを、昔からの言い伝えに従わない、神の御前に「汚れたもの」であると批判したことに対して、反論された主イエスのお言葉です。
 この反論によって主イエスは、あなたがたファリサイ派の人々や律法学者たちが、主イエスを受け入れず、主イエスの弟子たちを批判する態度の中に、自分たちこそ「正しい」とする心の「高ぶり」(傲慢)があるのではないか、その「悪い思い」が神の御前にあなたがたを「汚れたもの」にしているのではないか、と言わんとしておられるのです。
 大切なことは、自分の「汚れ」(根源的な汚れ!)に気づくことなのです。そこで、神の赦しと助けに頼るのです。その時、ファリサイ派の人々や律法学者たちの態度は自ずから違ったものになったのではないでしょうか。
 あの主イエスの厳しいお言葉の背後には、主イエスの十字架と復活の出来事が前提とされているのです。そして、自らの「汚れ」に悩む者が主イエスの十字架と復活の恵みに深く頼ることによって、主イエスの真の「清さ」に与って生きる者となるようにという、救いへの招きが語られているのです。