メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「十二弟子を派遣する」       マルコによる福音書6章6−13節

 主イエスは十二弟子を福音宣教のために派遣されました。主イエスが「十二人」の弟子をお選びになったのは、旧約聖書の神の民イスラエルの十二部族を踏まえてのことでした。それを踏まえ、主イエスを「メシア」(救い主)と信じる新しい神の民イスラエル(教会)を造るためでした。その十二弟子を今や主イエスは派遣されたのです。主イエスこそ神から遣わされた本当のメシアであり、罪人を救うお方であるという「福音」を宣べ伝えるために。
「派遣する」(アポステロー)ということは、そこに特別の「約束」が込められていることを意味します。主イエスは特別の約束を込めて、十二弟子を派遣されたのです。「わたしがいつもあなたがたと共にいる」という約束です。どんな時にもわたしを信じて、わたしの福音を語るなら、わたしが共にいて、あなたがたを助ける、また、あなたがたの言葉を聞く者にはわたしが臨んで、その者の魂を救う、という約束です。その「約束」を主イエスから与えられて、弟子たちは「使徒」(アポストロス)として派遣されたのです。
「二人ずつ組みにして」(7節)とあります。一人では主イエスの約束を信じ抜けないことがあり、困難な現実に直面して、主イエスの約束を疑う誘惑に負けることがあるからです。その時、二人なら、互いに信仰を励まし合うことができます。祈り合うことができます。その時、「二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである」(マタイ福音書18章20節)という主イエスの約束が成就するのです。
 主イエスは、深い配慮と祈りをもって、十二弟子を派遣されたのです。