メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」  マルコによる福音書16章1一18節

 主イエスの復活の出来事を伝える聖書の記事に共通のことは、当時の人々にとって、いや、主イエスを信じた弟子たちにとってさえ、主イエスの復活はまったく信じがたいことであった、ということです。「イエスが現れ、その不信仰とかたくなな心をおとがめになった」(14節)。
 主イエスのよみがえりは、人間理性にはどこまでも理解不能のことですが、 ただ一つ信じることができる道があります。それは、主イエスの十字架の死が真実に人問の罪を負う死であり、それを神が認め、祝福してくださった故に、主イエスの死の体に神の全能の御力が加えられ、それによって主イエスが復活された、ということです。そのことを深く味わうのです。つまり、主イエスの十字架の死の真実が、死に勝利する神の全能の御力を明らかにしたのです。主イエスの十字架の死の真実だけが、神の全能の御力を現すことができたのです。詩編116編15節「主の慈しみに生きる人の死は主の目に価高い」と言われていることが、主イエスのご復活において実現したのです。
 主イエスの十字架の死が真実であったということは、それによってすベての人間の罪が、神の御前に赦されているのです。神がそのことを認めてくださったのです。そして、主イエスの復活の命に与ることが、罪に打ち勝つただ一つの道なのです。それ以外に、罪に打ち勝つ道はないのです。それ故に、復活の主は「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」(15節)と弟子たちにお命じになられたのです。日々新しく、復活の主の命に与って、罪に勝利する生活をするように、と復活の主は言われるのです。