メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「主の名によって来られる方に祝福があるように」    マルコによる福音書11章1一11節

 主イエスは、ろばの子に乗って、エルサレムに入城されました。それは、主イエスが十字架の死を真実に受け抜くためでした。悪をもって悪に報いず、心からの愛と赦しと神への執り成しの祈りをもって十字架の死を忍び抜き、それによって、神の御前にすべての人間の罪の赦しと救いの道を拓くためでした。罪を忍ぶことは、困難な道です。まだ誰もその道を全うした人はいませんでした。主イエスは、その道を歩み抜くことがご自分のメシアとしての使命とお考えになり、「まだだれも乗ったことのない子ろば」(2節)に乗って、エルサレムにお入りになったのです。
 弟子たちは、主イエスの十字架の死はない方がいいと思いました。私たちも、残酷な十字架の死はなくてもよいのではないかと思う気持ちがあります。 しかし、もし主イエスの十字架の死がなければ、私たちはどうなるのでしょうか。私たちは本当の心の平安を得る拠り所を失うことになるのです。
 へブライ人への手紙10章22節に「心は清められて、良心のとがめはなくなり、・・・」とあります。「良心のとがめはなくなり」とあります。主イエスが、私の罪のために十字架の死を遂げてくださったことが本当に分かった時、私たちは、どんなに罪ある人間であっても、安心して、心からの確信を持って神の御前に立つことができるのです。主イエスが私の罪の赦しと救いのために十字架の死を遂げてくださったことを本当に知ることができた時に!その時私たちは、心からの感謝をもって「主の名によって来られる方に、祝福があるように」(9節)と主イエスのエルサレム入城を祝うことができるのです。