メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「十二人の弟子を選ぶ」          マルコによる福音書3章13−19節

 主イエスがお選びになった12弟子の中に、主イエスを敵に売ったユダがいる(19節)ことについて、どう考えたらよいでしょうか。主イエスは、ユダが将来主イエスを裏切ることを十分知った上で、ユダを弟子にされたのです。
 ユダは初めから主イエスを裏切るつもりで主の弟子となったのでしょうか。そんなことはないはずです。初めはユダも心から主イエスを信じて、主の弟子となったのです。ユダが主イエスに躓いたのは、主イエスの受難予告の時からでしょう。自分はやがてエルサレムで必ず長老、祭司長、律法学者たちから苦しみを受け、十字架につけられるという主イエスの受難予告に、ユダは躓いたのです。ユダばかりでなく、すべての弟子たちが躓いたのです。
 弟子たちは皆、主イエスのご受難はない方がいい、と思ったのです。
 しかし、主イエスの受難が避けることのできないことであり、イスラエルの指導者たちが本気でイエスを殺そうとしていることを知った時、ユダの心の中にサタンが入ったのです!それならイエスを敵に売って、金儲けの機会にしようと、ユダは思ったのです。
 主イエスが12人の弟子を選ばれる時、夜を徹して祈られた、とルカ福音書は記しています。主イエスはユダのために最も長く祈られたのではないでしょうか。ユダが罪を犯さないようにとではなく、たとえ罪を犯しても、それで終わりではない、神の赦しがある、罪の赦しと救い、新しい命への招きがある、そのために主イエスの十字架と復活があることを、ユダばかりでなく、すべての人が知ってほしいと願いつつ、主は夜を徹して祈られたのです。