メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「荒れ野の誘惑」     マルコによる福音書1章12−13節

 バプテスマのヨハネから洗礼を受けられた主イエスは、その後、直ちに荒れ野に行き、サタンの誘惑をお受けになりました(12節)。主イエスご自身、サタンとの対決が避けられないことと考えられたからであり、サタンもまた主イエスを「最強の敵」と見なして攻撃したからです。
 神の民イスラエルには、多くの信仰の指導者がいました。祭司長、長老、律法学者、ファリサイ派の人々など。しかし、彼らはサタンの真の敵ではありませんでした。なぜなら、彼らはすでにサタンの支配下にあったからです。 その証拠には、彼らは主イエスを神の御子、メシアとして受け入れることができず、ついにはイエスを十字架につけて殺してしまったからです。
 サタンにとって最も恐るべき、最強の敵が主イエスだったのです。サタンは何とかして主イエスの神信頼を捨てさせ、主イエスが人間の罪を負う十字架の道を歩むことをやめさせようと誘惑したのです。十字架の死が何の役に立つのだ、もっと有益な道があるのではないか、この世の栄華を楽しんだらいいではないか、と言って、主イエスの苦難の道を妨げようとしたのです。
 しかし、主イエスは「退け、サタン。『・・・ただ主に仕えよ』と書いてある」(マタイ4章10節)と言って、サタンの誘惑を退け、十字架の苦難の道を歩み抜き、罪人の救いの道を開いてくださったのです。
 サタンは私たちをも誘惑するのです。主イエスを信じるよりもっと有益で、楽しい道があるのではないか、と。しかし、主イエスを信じ、主の清き命に生かされる信仰こそ、最も尊く、最も有益な、ただ一つの救いの道なのです。