メッセージ  (説教より)
「マルコによる福音書」


「子供のように神の国を受け入れる」     マルコによる福音書10章13−16節


 主イエスに祝福していただくために、人々が子供たちを主イエスのもとに連れて来た時、弟子たちは人々を叱って追い払おうとしました。
 それを見ておられた主イエスが、逆に弟子たちを叱りつけて、「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」(14〜15節)と言われました。
 繰り返し、深く味わうべき言葉です。
 「神の国」とは神さまの救いのご支配のことであり、主イエスがご自身の十字架の死と復活をもって実現してくださった救いの恵みのことです。その恵みに与るただ一つの道は、「幼子のような従順」なのです。主イエスが救いを与えてくださいます。その主イエスに幼子のような従順をもって頼るのです。その時、私たちは「主が共にいてくださる」インマヌエルの救いの恵みの中に、喜びと感謝のうちに生きることができるのです。
 少年ダビデが巨人ゴリアトと戦った時のことが、旧約聖書サムエル記上17章に記されています。少年ダビデは大人が着る鎧兜を脱ぎ捨て、普段から親しんでいた石投げ紐と川岸から取ってきた小さな5つの石で巨人ゴリアトに立ち向かいました。小さな一つの石がゴリアトの急所を突き、少年ダビデは一瞬のうちに勝利を収めました。少年ダビデの勝因は、文字通り幼子のような神への信頼でした。その信頼の中に全能の神が働いてくださることによって、少年ダビデに勝利がもたらされたのです。