メッセージ  (説教より)
「ルカによる福音書」





「心が鈍くならないように」         ルカ福音書21章34−36節

 アドベント(到来、出現の意)とは、主イエスの「来臨」を待ち望む時のことです。主イエスの第1の来臨であるクリスマスを迎える備えをしながら、主イエスの第2の来臨である再臨(救いの完成)を待ち望むのです。
第1の来臨において、主イエスは「隠れた」救い主としてお出でになりました。隠れた救い主として、十字架の死を遂げ、復活の永遠の命を明らかにすることによって、本当の神の御子、救い主であることを示されました。
その主イエスは今、隠れた仕方で、聖霊によって救いの働きをしておられますが、やがて誰の目にも明らかな救い主としてご自身を現わされるのです。
この世は、この主イエスの再臨に向かって進んでいるのです。それにもかかわらず私たちは、この世が永遠に続くかのように考え、安易な生活になりがちではないでしょうか。「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい」(34節)という御言葉は、そういう私たちに向かって語られているのです。
どうしたら、主イエスの救いに勤しむ者となることができるのでしょう。それは、第1の来臨を果された主イエスの地上のご生涯をいよいよ深く覚えることによる以外にないと思うのです。主イエスは、一人の人間として「アッバ、父よ」と父なる神に祈りつつ、聖霊の満ち溢れる豊かさの中で、清い、愛と赦しに満ちた地上の生涯を歩まれました。この主が、今、聖霊において共にいてくださる、そのインマヌエルの恵み(「今や、恵みの時、今こそ、救いの日」第2コリント6章2節)を深く味わい知る以外にないと思うのです。