メッセージ  (説教より)
「ルカによる福音書」





「神と人とに愛された」            ルカ福音書2章41−52節

 主イエスは、「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」(マルコ10章14節)と言われました。子供たちは「無条件で」神の祝福の中にあります。神は、主イエス・キリストの十字架の愛に示された「無条件の愛」をもって子供たちを祝福し、養い育ててくださるのです。それなら私たちも、主キリストの十字架の愛を映す「無条件の愛」をもって子供を養い育てなければならないのです。
「無条件の愛」とは「条件付きの愛」ではないということです。何ができる、できないということによって左右されることのない愛です。何ができる、できないに関わりなく、「あなたは私の子供であるから、ただそれだけで大切なかけがえのない存在である」というメッセージが、いつも豊かに子供たちの心に注がれていなければならないのです。その時、初めて子供たちは自分に対する健全な自信を持って生きることができるのです。「自分であること」の自信を持つことができるのです。その時人間は、どんな状況の中にあっても強く、しかも他者への愛を失うことなく、健全な人間として生きることができるのです。
 少年イエスは、三十歳になってメシアとしての公生涯を始めるまでの間に、一人の人間として、「神と人とに愛された」(52節)人として肉体的にも精神的にも健全に成長されました。神に対しても人に対しても「閉ざされた」心ではなく、「開かれた」心をもって生きることができたのです。ここに、健全な人間として生きる、一人の人間の「模範」を見ることができます。