メッセージ  (説教より)
「ルカによる福音書」


「大きな喜びを告げる」    ルカによる福音書2章1−20節

 神の御子イエス・キリストの誕生の出来事は、それを見ただけでは決して神の御子の誕生とは思えない、人の目に全く隠された、小さな貧しい出来事として実現されました。それが神の御心だったのです。
 しかし、その出来事の当事者であるマリアとヨセフは、それが神の御業による出来事であることを信じました、いや、信じるように導かれたのです。神ご自身の助けによって。初めは全く信じることができませんでしたが。
 ですからマリアとヨセフは、自分たちに与えられた出来事(マリアの懐妊)を信仰をもって受け入れ、担うことができたのです。ローマ皇帝による住民登録という過酷な現実の中にあっても。
 マリアの胎の命(幼子イエス)が、二人の信仰を聖霊によって守ったのです。「胎の命が、神さまによって与えられた命である限り、この命と共に神が守り給う」という信仰によって、二人の魂は堅く守られ、支えられながら、あらゆる困難を望みをもって耐え忍ぶことができたのです。
 幼子イエスはベツレヘムの馬小屋の中で誕生しました。貧しい卑しめられた誕生でした。しかし、マリアとヨセフは深い喜びに満たされました。幼子イエスが無事に誕生した事実の中に、神の導きを見たからです。「神は約束をお守りくださった。神は御言葉どおり、自分たちを守り、無事に御子の誕生へと至らせてくださった」という信仰の喜びに満たされたのです。[恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる」(10節)とあります。「大きな喜び」とは、何よりも神を信じる信仰によって与えられる喜びなのです。