メッセージ  (説教より)
「レビ記」


「聖なる者となりなさい」        レビ記114147

「わたしはあなたたちの神、主である。あなたたちは自分自身を聖別して、聖なる者となれ。わたしが聖なる者だからである」(44節)と記されています。
「自分自身を聖別する」とは、自分を他の人々から「より分けて」、神に献げ、神を信じる者として生きる、ということです。その際、自分自身が他の人々と比べて、より良いとか、より優れている、より清いということはありません。自分自身は他の人々とまったく同じものであり、神の御前に罪深い者であることに変わりはないのです。
 ただ、神の「聖さ」に与って、「聖い者」として生きるために、自分自身を他の人々と区別して、神を信じる者として生きる決断をするのです。信仰者として生きる道を選ぶのです。具体的には、洗礼を受けて、キリスト信者となるのです。それが、「自分自身を聖別する」ことです。
 その時、神はそういう私たちを喜んでくださり、ご自身の聖さ、言い換えれば、主キリストの聖さに与って生きることができる者にしてくださるのです。神ご自身が私たちを「聖い者」にしてくださるのです。聖霊の働きの中で。
 人は、自分は「自分のもの」として生きています。それが当たり前と思っています。しかし、そうではないのです。人間は本来、神に造られたものですから、「神のもの」なのです。それを「自分のもの」として生きることが、罪なのです。そこからいろいろな困難な問題が生じてくるのです。その自分を神にお返しし、「神のもの」「キリストのもの」として生きるのです。それこそ神に喜ばれることであり、そこに人間の本当の生き方があるのです。
「聖なる者となりなさい」とは、そういう神の御心を意味しているのです。