メッセージ  (説教より)
「レビ記」


「焼き尽くす献げ物」          レビ記1章1-17節

 レビ記には神への献げ物についての細かな定めが記されています。この定めは、神がお定めになったものですから、それを忠実に実行することが神への従順を果たすことであり、その定めを自分勝手に変更することは、直ちに死を意味する神への不従順を働くことでした。それが旧約聖書の信仰の世界でした。
 レビ記1章には「焼き尽くす献げ物」について記されています。「焼き尽くす」とは、すべてを神に献げ尽くす神への全き従順を意味しています。「手を献げ物とする牛の頭に置くと、それは、その人の罪を贖う儀式を行うものとして受け入れられる」(4節)とあります。牛の頭に手を置き、それを焼き尽くす献げ物として神に献げることによって、牛が私の罪を担い、私の代わりに死んでくれることによって、私の罪が赦される。そのことを信じて、心を込めて「焼き尽くす献げ物」を献げるのです。
 この「焼き尽くす献げ物」を一回限り、決定的に実現してくださったのが、主イエスです。主イエスは、動物の頭に手を置いて、人間の罪を動物に負わせる「犠牲の死」を、ご自身の十字架の死において完成してくださったのです。主イエスの十字架の死が実現された以上、もはや罪の赦しのために動物の犠牲を献げる必要がなくなったのです。すべての人間が主イエスの十字架の死により頼むことができるようになったのです。主イエスは、すべての人間の罪を負ってご自身を十字架に献げ尽くしてくださいました。主イエスの十字架の死は、旧約聖書の信仰の完成を意味すると共に、すべての人間の罪の赦しと救いのために実現された普遍妥当な真理を意味しているのです。