メッセージ  (説教より)
「ヨハネによる福音書」





「人間を照らす光」    ヨハネ福音書1章1−18節

 ヨハネ福音書1章4〜5節に「言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている。」と記されています。クリスマスの出来事は、この世の人間の罪の暗闇の中に輝くただ一つの光として実現された出来事です。その光は、見た目には大変慎ましい光ですが、決して消えることなく、人間の罪の闇が深ければ深いほどひときわ鮮やかに輝く光なのです。
 そもそも主イエスの十字架の出来事が、そのような光です。誰も主イエスの十字架を否定することはできません。主イエスご自身を否定することはできます。私たちはいつも主イエスを十字架につける罪を犯しているのです。しかし主イエスの十字架は、私たちの罪が深ければ深いほど、「あなたの罪は主イエスの十字架の死によって贖われ、赦されている。あなたは主イエスの救いに与って生きることができる。だから、恐れることなく主イエスのもとに立ち帰り、主の命に生きる者となりなさい。」と語りかけてくることをやめないのです。主イエスの十字架は「人の心を照らす」光であり続けるのです。
 主イエスの誕生の時も、絶望的な罪の闇が覆っていました。ローマ皇帝による容赦のない住民登録の現実です。しかし、どんなに人間の罪の闇が深くても、主イエスの誕生を否定することはできませんでした。マリアとヨセフは、嵐の中の小舟のようにこの世の現実に翻弄されながらも、マリアの胎の命を通して与えられる「神共にいます」インマヌエルの信仰に励まされつつ、深い喜びと感謝のうちにベツレヘムの馬小屋での御子イエスの誕生を実現することができたのです。